海外在住研究者のつぶやき

専門外のことについて勉強した内容をまとめます.

エンジニア海外就職において現地語はどの程度重要か?

ソフトウェアエンジニアが非英語圏で就職する上で、現地語が扱えないことはどの程度就職先の可能性を狭めるのか。 筆者はオランダ在住のため、オランダを例に調査する。

結論

先に結論を。

  • 非英語圏の中で英語通用度が一番高いオランダでさえ、求人の約5割でオランダ語スキルが要求されていることがわかった
  • オランダ語が扱えないことはオランダでの就職活動においては相当に不利

前提条件

  • 前述の通りオランダを例とする。オランダは非英語圏の中では一番英語通用度が高い国と言われている。そのため、本調査結果は表題の問いに対するある種のlower boundとなりうる(かも)。
  • 本例では検索クエリを「Python」とした。
  • 検索日は2021年7月11日

調査1:オランダ語にて書かれた求人の割合

英語 オランダ語 (合計)
件数 210 167 377
割合 56% 44% -

直近7日間におけるヒット数は377。うち、英語210件、オランダ語167件。 オランダ語が分からなければ、求人の44%には応募すらできないことになる。

調査2:英語求人におけるオランダ語スキルの要求割合

上述の通り求人の56%が英語で書かれているが、そのうちどの程度がオランダ語のスキルを要求しているのか?

オランダ語のスキルを要求する求人には、求人内に "Dutch" というキーワードが書かれているはずと考え、 検索クエリに "Dutch" を追加し検索したところ、51件がヒットした。 ヒットした51件の中からランダムに10件選択し、求人の内容を直接が確認したところ、 10件中4件はオランダ語のスキルを「流暢」のレベルで要求、1件は「あると望ましい」との記載があった。 そのため、ヒットした51件の半数程度、すなわち25件程度でオランダ語が求められていると推測できる。

以上より、英語で書かれた求人210件のうち、25件程度ではオランダ語のスキルも要求されていることがわかる。

まとめ

ヒットした全377件のうち、167件がオランダ語求人であり(調査1)、残りの英語求人のうち25件程度ではオランダ語スキルが要求されている(調査2)。 合わせると概ね5割の求人においてオランダ語スキルが要求されており、オランダ語が扱えないことはオランダでの就職活動においては相当に不利と言える。